不動態をほりさげる
そもそも、不動態ってなんぞや、と思いました。
いきなりですね。
くしまゆう( @kinsei_18 )です
これがくしま
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学べる元素擬人化…とはじめたものの
「結局元素を理解することが化学を理解する第一歩」
と改めて思いました。
個々を擬人化で絡めて遊ぶのもですが、
その個々の個性の用語があるわけです。
人間でいう隠キャとか陽キャ的な…?ものですかね。能力?才能?
その用語を理解すれば、また個々のキャラクター(元素)の性格の見方が深まります。
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というわけでわかるようで、改めて考えるとわからないなあ〜と思った「不動態」
不動態ってなんだ!
不動態とは
金属が普通の状態で示す反応性を失った状態。例えば、希硝酸に溶ける鉄を濃硝酸に浸すと溶けないなど。酸化物の薄膜が金属表面をおおうことなどが原因。
腐食性の環境であるにもかかわらず金属がまったく腐食しなくなる現象を不動態化と呼ぶ。
出典 基礎からわかる金属腐食 日刊工業新聞社
耐食性金属の表面に生成する酸化物を不動態皮膜という。酸化物や水酸化物の薄膜で、水溶液環境にて金属・合金の耐食性をもたらす。
不動態皮膜を生成した状態のことを不動態とよぶ。出典 腐食防食用語事典 日本材料学会腐食防食部門委員会 編 晃洋書房
「特殊な薄い皮膜を生成し、通常なら起きるはずの腐食が起きない状態」ということですね。
ちょっと強そうなスキルだな!
不動態になることができる元素は?
「Al,Ti,Cr,Fe,Co,Ni」など
濃硫酸、濃硝酸に対しては共通して不動態皮膜を作る。
この子たちは電池や電気分解のところで出てくるよ。
「不動態」と「酸化被膜」の違いは?
不動態は酸化皮膜の一種ではあります。
酸化皮膜とごちゃ混ぜになって書いている場合があるので、個人的に混乱していました。
酸化皮膜は酸化皮膜でも、特殊な酸化皮膜。その特殊さは下記の特徴があることです。
【不動態の特徴】
①イオン化傾向が小さいような挙動を取る。
②銅や亜鉛の保護皮膜は金属が環境と腐食反応を生じた結果できる反応生成物で、ゆっくりと成長し厚さも0.5μm程度と比較的厚い。しかし不動態皮膜は瞬時に生成し、1〜3ナノメートルと薄く、透明である。
透明であるため、不動態化しても金属光沢はそのままである。
③不動態皮膜は金属がイオンとなって溶けることを抑える機能を持っている。
④下地の金属や合金の種類にもよるが塩化物イオンによって破壊される場合がある。
→普通のステンレスだと穴あきのように腐食されることもある。
瞬時に生成して薄くて透明。優秀な皮膜だが、塩素には弱いんだな。
この機能性の高い防御力。塩化物イオンを操る塩素の前や、海水では注意のようです。
しかしクロムやチタンは海水や塩化物イオンに対して強いので、ステンレスはステンレスでもクロムの含有量によって腐食が異なってくるとのこと。
終わりに
不動態は自分を保護する膜だけど、錆と一緒で、腐食の一種です。
自分を環境のもとで守る反応と考えると可愛いですね。
てか瞬時に生成してるってかっこよくないですか??かっこいい〜〜!!
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【参考資料】
金属の百科事典 丸善株式会社
腐食防食用語事典 日本材料学会腐食防食部門委員会 編 晃洋書房
基礎からわかる金属腐食 日刊工業新聞社